-2008



「みつばち」 キャンバスに油彩 「みつばち」 2008 (個人蔵)
 みつばちは、お気に入りののモチーフのひとつです。
蜂蜜を作れること、飛べること、その羽ばたきのすばやさ、など、すごい!と思います。また、花が次々に咲きだす頃に飛び始めるのも、春を知らせる虫のようで、うれしくなります。
[5月生まれの女の子」 F30号 キャンバスに油彩 「5月生まれの女の子」 2007 (個人蔵)
 姪が生まれたときに、描かせてもらった作品です。お兄ちゃんたちは初めての女の子の誕生に、うれしそうな表情。
  基本的には、好きなものしか描きたくありません。わがままというよりは、そうしないと何がしたいのか、何をやっているのか、何のために生きているのかさえ分からなくなってしまいそうだからです。限りある自分の時間をどう生かすか。
 一枚の絵を描くにはたくさん時間がかかります。描いている間ずっと、描く対象を見続けるので、それらが好きなもの、色、雰囲気であれば、作業時間はとても幸せな時になります。また、描き途中は、思う位置に望む色が完璧に置かれているわけではないので、となり合う色、重なって響きあう色、画面上での光の流れなどを徐々に整えていくのですが、そのように一つ一つ色を置いていくのは、一筆一筆に手ごたえがあり、また、集中が高まると、頭の中の言葉や邪念は消え、時間の感覚も消え、かつてエマソンが言った「私は一個の透明な眼球になる」って、こんな感じかな、と思ったりします。それは、景色や光を全身で感じたり、シャッターを押す時にも感じることです。自分以外のすべてと一体化するような感覚、分け隔てのない感覚、に似ているように思います。
 この絵を描いている間、保たれていた、優しさ、うれしさ、愛しさ、というような気持ちは、絵画にも定着していると思います。
「太陽の光は私たちをあたためる」 S10号 キャンバスに油彩

「太陽の光は私たちをあたためる」 2007' (個人蔵)
   母の友人で、たくさん、様々な種のバラを育てていらっしゃる方がいます。
 ある秋の日、いとこの結婚式のお祝いのフラワーボックスをつくるため、たくさんのバラをいただきました。
その後、私はしばしば、ばらを描くことになるのですが、この作品は最初期に描いたものの一つです。
 愛情を持って育てられた花は、愛らしい姿をみせてくれます。生き生きとみずみずしく、太陽の光と風にゆれ、その命をありありと私たちに示してくれているようです。この頃、私は帰国後はじめた仕事をやめ、家業である農業を手伝いはじめました。植物を育てるということがどういうことなのか、彼らの、いのちを、よりいっそう輝かせるには、何をどうしたらいいのだろうと、考えました。水は、肥料は足りているか、虫はついていないか、病気が発生してしまう原因はとりのぞかれたか、雑草に養分を奪われてないか、どうしたら強く育ってくれるのか。そして、それらは日々の天気、季節の移り変わり、それらと個々の成長に応じた絶妙のタイミングがあり、いつも気が抜けません。そういう生活を通して、昔、やはり農業を営んでいた祖父が明日の天気や季節の変化の話ばかりしていたこと、それを継いだ母がいつも野菜の話、畑の話ばかりすることに、納得がいきました。
 そんな私も、この頃からたぶん、絵の事ばかり考えているのかもしれません。そういう事が、そのまま生活となり、人柄や思想にもなっていくのだろうと思うので、短い人の時間の中で、何をするかは、しっかり選ぶことだと、自覚し始めた頃でもあります。

'a fine view' S30号 キャンバスに油彩

 'a fine view' 2006
 三重の大王崎の風景です。ここの景色は180°以上、海。
それまでの絵は、完成させた、最後まで描いた、という感じがあまりありませんでした。しかし、その頃私は、絵描きになりたい、とはっきり意識し始めていたので、これではだめだ、その時できるだけでいいから、描ききるということをしていかないと、進んでいかない、と思い、描いた、はじめの作品です。
 太陽、海、空、雲、飛ぶ鳥、花、土、波、水、ひらけた空間。私の大好きなものたちを、ほとんど無意識に選び描き出したように思います。
描ききるという作業の中で、描写をつめていく時に、今の描き方はモチーフを必要とするのですが、私の描きたい、これらの対象はすべて、うつりゆくものです。描く私と太陽の位置は刻々と変化します。また、そういった一瞬のきらめきの連続が、長い時として立ち現れるように感じます。このように、モチーフを必要とする技術的必要性と、描きたいモチーフの性質、また、個人的な時の感覚(時間軸が一直線、等間隔だとは思えない)などの理由から、描くときに写真を見て描くという手法をとるようになりました。

  また、太陽の光や白い鳥は、吉兆のようです。そして、風に揺れる花は、生命力。何かそういう、明るい兆し、力は、見ようと思えば、そこら中にあふれていて、感受できる、ということを表現したかったのだと思います。


'Flying' s40号 キャンバスに油彩

'Flying' 2004

 大学卒業後、縁あってドイツに渡り、やっと、絵画を自由に制作できる環境に恵まれました。絵画を生活の中心にすえられるのが、とてもうれしいことでした。
 








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