2012










'Step forward'  「一歩、その先へ」 (個人蔵)

 不意に瞼を上げたらほんの少し青空が見えた。
赤は内側の色。親密な色。青は空色や水色は外側の、世界の色。つつまれる外側の広がる色。外側の世界のはじまり。
 実際この絵の前に立つと、 視点は定まらない。どこを見て良いのか分からなくなる意図。どこにもピントが合っていない、あるいは全体にフォーカスされている。だから、見る、というより感じるという状態で、絵の前に立つ事になると思います。ピントが合わない絵。 そういう世界の見方。一事象あるいは社会、ではなくその背後の「世界を感じる」 ように。花でも木でもなく森を見る、いや、世界を感じるようにみる。視覚だけではなく、いろんな感覚や思考をつかって。そういう感覚のきっかけの絵画として。
 この絵はP120号、横幅は2m弱。絵画はどれもそうだけど、画像じゃなくてぜひ実物に出会っていただきたいです。







 

 

'Look forward' 「前を見よ」 (個人蔵)

 明るく前向きに、なりたかったので、こんなタイトルになりました。
今年の個展の、というか、今年のテーマ、方向性を考えていたところピンときたのが 'forward' ということば。前を向いて、歩いていきたい、と。

 















'Hello, again' 「再見」
 あの大きな地震と原発事故の後、思った事は、ずっと在ると思っていたものが、そうではなくなるかもしれない、ということ。意志とか思いとかそんなやわなものは余裕で超えて。
 大きな木は、いつもそこにあって、毎年毎年、春になればきれいな花を咲かせ、見せてくれるのだと思っていたけど、なくなることもあるのだ。
 同じように、また、しばらくしたら、会えると思っていたのに、会えなくなる事もあるんだとか、そんなことを思っていた。
 それでも、もっと先の事は分からない。世界では一つ一つが死に、生まれ、生き、死に、生まれ、生き、と変化し続けているし、私も変わるだろう。そして変わったその先で違う角度からまた出会ったりする。

 この絵は、あの春に見た杏の花。同じばら科だけど桜よりちょっと丸っこくてかわいい。そこに光が集まって、ゆれる。春のはじまりに、意識が溶けていくように。

 

「空の色をうつす水、あるいは心の色を」 S100号 キャンバスに油彩 「空の色をうつす水、あるいは心の色を」  (個人蔵)

 3年くらい前から、少しずつ描きはじめ、2012年はじめに仕上がった作品です。水と、そこに映る空。揺らぎや、波紋、形のないもの、色や光が一定でないもの、確かにあるのに、つかみどころのないもの。
 水に映るのは、遠くの空、そして、同じ平面上に水面と水中も透けて見える。
  一つの平面上に様々なレイヤーが乗っかっているのは、この世界と同じ。私が思う世界と、あなたが思う世界が、まったく違って見えても、本当はつながっている。そして出会う時は出会うし、ずれると出会えない。本当に出会う、って事ができたらいいなぁと、それはちょっと奇跡だけど、時々起こるから、おもしろい、と思います。
 3年間、途切れ途切れに描いたので、その時々で、心持ち、心の色、日々のテンションや気持ち、想う事なども違い、それらが全体にバランスよく散りばめられ、一枚の絵として成立しているようです。





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